Joint Research Society on Value Creation in Manufacturing Industry

ものづくり価値革新合同研究会

本研究会は、日本の製造業の活性化を目指し、学会や専門分野の枠組みを超えて、様々な分野の研究者や実務家が広く連携して、新たなビジネス・モデル発掘への研究と討論を行う場として2013年7月に設立されました。3年を目処とする時限研究会です。
理系文系の別も含め専門領域や所属学会にとらわれず、毎回自由な参加により多面的な議論を前進させ、定期的に様々な学会と連携して研究成果を発表していきます。随時参加可能。

お知らせ

2013.07.15(月)
*第一回研究懇談会(キックオフ・ミーティング)
午後4時〜6時(懇親会6時〜)
東京、田町、芝浦工業大学芝浦キャンパス3階会議室(303号室)
       http://www.shibaura-it.ac.jp/access/
テーマ:研究テーマについての提言
    第1提言者: 高橋 進 (元コマツCSS本部長)
    第2提言者: 倉重 光宏 (山口県産業技術センター)
    第3提言者: 榊原 清則 (法政大学)
    第4提言者: 平野 真 (芝浦工大)
20名ほどの参加で活発な討議が行われました。
次回懇談会は、9月開催の予定です。

2013.09.27(金)
研究・技術計画学会:協賛、ものづくり価値革新合同研究会:協力
ものづくり価値革新合同研究会・第二回懇談会@東京田町、芝浦工大キャンパス
1.コマツのビジネス・モデル紹介
    高橋 進 (元コマツCSS本部長)
2.製造業とサービス業の融合について先行研究の紹介
    平野 真 (芝浦工大)
3.地域振興の立場から
    倉重 光宏 (山口県産業技術センター)
4.所感、製造業研究について思うこと
    榊原 清則 (法政大学)
5.自由討議:来年3月のシンポジウム開催にむけて、共同研究の手法など

2014.03.15(土)
日本MOT学会第5回年次大会にて
「ものづくり価値革新」セッション(5)を設けていただいた
座長:平野 真
  製造業の国際化におけるイノベーション創発 ―YKKファスナー事業に於ける製品開発を事例として―、講演者:竹倉 徹
現場力の維持・向上に対して管理技術の果たす役割 JR東日本のMy project 活動に関する調査を通して、講演者:澤口 学
高収益ビジネスを実現するモデルの研究、講演者:浪江 一公

2014.03.23(日)
ものづくり価値革新合同研究会:協力
アントレプレナーエンジニアリング研究会
平成24年度第6回研究会プログラム@東京豊洲、芝浦工大キャンパス
【テーマ】「日本のものづくり復活を目指して」
【一般講演】
「事業領域再構築によるコールセンターのフロントライン化について」
内田 良一、坂本泰祥 (高知工科大学)
「東アジアにおける日系企業の人材確保について」
坂本 ひとみ、那須清吾 (高知工科大学)
「サービス業ビジネスパーソンの キャリア形成についての研究」
小熊 英国、岡本博公 (高知工科大学)
【招待講演】
「地方から発信するものづくり」
倉重 光宏 (山口県産業技術センター) 「KTN結晶育成技術を基盤とする新規事業の創出」
    藤浦 和夫 (NTTアドバンステクノロジ)
「新事業開発における連携とパートナーの能力活用について」
    加藤 謙介 (エフェクテック戦略研究所)
「OEMと後発国企業の経済発展--台湾自転車・電子産業の事例--」
佐藤 幸人 (アジア経済研究所)
「生産財企業における新規事業創出に関する一考察」
山本 忠幸 (横河電機)
  「グローバル化の中のものづくり戦略」
平野真、戸澤 幸一、竹倉 徹(芝浦工大)

 


研究会概要

本合同研究会は、新しいビジネス・モデルの導入や様々な技術の応用と経営上の工夫によって、1990年代以降低迷している日本の製造業に新たな活路を切り開くことを目指して結成されました。 2009年に映像情報メディア学会アントレプレナーエンジニアリング研究会の下部組織として2年間の時限研究会として発足した「ものづくり価値革新研究分科会」を母体とし、2011年に一旦は終結したこの研究会を、今回新たな視点も加えて発展的に再結成し、特に様々な学会の横断的な連合型研究分科会として構築しました。
当初の研究会では、日本の製造業の中で特に業績の良いことで知られる(株)コマツの「アフターマーケット」と呼ばれるユニークなビジネスモデルを取り上げ、これを中心に研究を進め、1)ICT活用のビジネス・モデル、2)環境保全型事業、3)製造業とサービス業との融合、4)中小企業へのプラットフォーム形成、などの諸点について議論を行ってきました。今回は、こうした研究をコマツ以外の企業の事例にも目を向け、より広範な視野から議論することを考えています。
日本の製造業の復興は、実業界も学会も、理系も文系も含めた様々な分野の英知を結集し、シナジーを生み出す中ではじめて可能になる一大事業と考えます。そこで、今回の研究会では、工学系、技術経営系、経営系など多くの分野にわたる様々な学会に呼びかけ、各学会の中に小さな分科会を設けながら、それらの協働と連携によって横のつながりとしてのテンポラリーな研究会組織を立ち上げることとしました。
あくまで、ものづくり産業の課題克服を主眼に据えた、テーマ・フォーカス型の、3年を目処とする時限型連合研究会です。より多くの学会、企業からの参加をお待ちいたします。

2013年7月時点での参加協力学会(カッコ内は各分科会名称)

●映像情報メディア学会
(アントレプレナ・エンジニアリング研究会、新ものづくり価値革新分科会)
    http://www.ee-society.jp
●研究・技術計画学会(イノベーションフロンティア研究懇談会・サブ研究会)
    https://sites.google.com/site/ifjssprm/subsig/monodukuri-kachikakushin
●日本MOT学会(ものづくり価値革新研究会)
    http://www.js-mot.org/

 

合同研究会発足趣意書(平成25年7月15日)

発起人(あいうえお順):
山口県産業技術センター 倉重 光宏
埼玉大学 久野美和子
法政大学 榊原 清則
元(株)コマツ・CSS本部長 高橋 進
(株)多夢 中原 新太郎
芝浦工業大学 平野 真
神戸大学 松本 陽一
京都女子大学 水野 義之

1. 趣旨

1990年代以降、日本の製造業はグローバル化の中で競争力を低下させ、「失われた10年」ないし「失われた20年」「失われた30年」と呼ばれる低迷を続けている。特に近年は、欧米の金融破綻に端を発した未曾有の不況に襲われる中、製造業本来の輝きを取り戻し、かつ新たな時代に適応した新しい事業の形が模索されるようになった。既存のしくみのみに固執しないビジネス・モデルの改革も含めた新たな価値獲得のための事業再構築が緊急の課題として浮かび上がってきている。
本研究会は、4年前の7月に、映像情報メディア技術に軸足を置いた製造業分野の研究を目的として、映像情報メディア学会アントレプレナー・エンジニアリング研究会内に設置され約2年間活動した「ものづくり価値革新研究分科会」を母体とし、今回新たに発展的に改組し発足させるものである。
同研究会の研究対象・研究課題は、日本の製造業の活性化を大目標として、
(1) ICT(ものづくりベンダーと顧客を繋ぐ映像情報ネットワーク)を駆使したワールドワイドなトレーサビリティ網の利活用による顧客価値創造と価値獲得
(2) 製品の実質的な長寿命化による地球にやさしい環境配慮型グリーンプロダクト化とそれらによる価値創造と価値獲得へのパラダイムシフト
(3) 製造業とサービス業の有機的結合や、「おもてなし」の心に代表される、日本人ならでは国民性を生かした、ビジネスモデルの構築と価値獲得、
の3点を中心とし、波及的な効果として、
(4)産業連環の中で、中小企業も含めた日本の産業力の向上 も念頭におきながら、経済学・経営学・技術経営・情報工学など学際的な研究者が集結して、研究と議論を進めてきた。


 約2年間にわたる研究成果は、2012年1月に白桃書房より「アフターマーケット戦略:コモディティ化を防ぐコマツのソリューション・ビジネス」として出版された。(下図参照) フターマーケット戦略
この期間の研究では、日本の製造業の中ではきわめて好業績のコマツを研究事例としてとりあげ、コマツ(株式会社小松製作所)様の全面的な協力をいただき、調査協力のほか研究資金面での援助もいただきながら、連携して研究を行ってきた。
今回新たに研究会を改組発足させるにあたり、こうした研究遺産を引き継ぎながら、さらに多くの事例にあたり研究を深耕・前進させるとともに、本会の研究テーマにご賛同いただける多くの方々の自由な参加を募り、オープン化した研究組織としたい。
具体的には、映像情報メディア学会のみならず、日本MOT学会、研究・技術計画学会の中にも分科会的な下部組織をつくり、その他(国際ビジネス学会、経営品質学会、ベンチャー学会など)の学会にも同様の呼びかけを行って研究会への参加者を募り、学会活動としても各学会ごとの下部組織分科会の形成や、研究発表会の協賛や共同開催などの形で連携していきたい。これは、現在多くの学会が広範囲なテーマを扱って勢力分散の傾向にあるため、基本は日本の製造業活性化に向けた大同団結で、テーマ集中・学会横断的な活動として行っていきたいとの意図からである。

2. 運営の基本コンセプト

(1)目的
同研究会の目的は、日本の製造業・工業復活のため、「ものづくり価値革新」について、主として経済学、社会学、経営学、MOT(技術経営学)、経営工学、情報工学などを駆使して、仕組み、価値創造と価値獲得のメカニズム、今後の展開、市場規模などを調査・研究し、学術的な体系化を図るものとする。
(2)研究会運営資金
基本的には、活動に参加する各研究者の個人研究費からの自己負担とする。
(3)事務局
当面、各学会の分科会で主査や委員長を務める平野真(芝浦工業大学教授)が合同研究会についても事務局業務を担当する。
(4) 活動期間
本合同研究会は3年の時限研究会とする。
(5)メンバー構成
口コミで広がっている現在の研究賛同者のメンバーを中心に、経済学、経営学、社会学、技術経営、工学など分野にこだわらず、大学・企業の両方に開かれたオープンで学際的な集まりとしていく。
(6)研究成果の公開
研究会の活動詳細は原則として公開とし、成果については随時、アントレプレナーエンジニアリング研究会技術報告、映像情報メディア学会論文誌、研究・技術計画学会論文誌、「技術と経済」などのほか、各学会大会などで発表し、学会、実業界(工業会、経済界、官界)に訴求していく。
また、研究成果は最終的には共著出版物などの形で公開する予定。
(7)協力(スポンサ)企業
研究の進展に伴い、運営資金支援および情報素材提供などで、スポンサとなっていただける企業がでてくれば、協力関係について積極的に検討する。
(8)協力学会
同様の分野での分科会の形成と研究協力、共同での成果発表の場の提供(開催協賛)などで、協力していただける学会とは、協力関係について積極的に検討する。 

3.その他

(1)発表権
   発表権は実際に当該調査・研究を担当した個人としての研究者に与える。
(2)成果の利用
   原則としてRAND条件
   (Reasonable and Non Discriminatory Licensing(妥当で公平なライセンス)とする。
(3)設立日時
   平成25年7月15日
   以上

*学会間協力のイメージ例示図

*学会間協力のイメージ例示図

活動報告

 

 

お問合せ

合同研究会事務局:
平野 真
〒135−8548 東京都江東区豊洲3−7−5
芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科
電話:03−5859−8636  FAX:03-5859-7421
mhirano@shibaura-it.ac.jp

■事務局
映像情報メディア学会事務局 研究会担当
〒105-0011 港区芝公園3-5-8 機械振興会館403号室
TEL.03-3432-4677 FAX.03-3432-4675
E-mail: sako@ite.or.jp
http://www.jspmi.or.jp/kaigishitsu/access.html